はじめてのふぐ

生まれて初めてふぐを食べた。刺身と唐揚げと鍋。贅沢のパレード。

 

既に退職されたOBのおじいちゃんはちょくちょく食事会を開いてくれる。呼ばれるのは私と、私の先輩社員と、先輩の同期さん。おじいちゃん(呼び方はこれで統一する)が退職してから始まったこの会も、今日の新年会で3回目くらいになるはずだ。

おじいちゃんには仕事で非常にお世話になった。部署は違うし職場も別の建物だったけれど、仕事上のやりとりが頻繁にあった。かなり可愛がってもらったと思う。山梨旅行のお土産と言ってシャインマスカットをどっさりもらったときはびっくりした。私の名前はおじいちゃんのお孫さんと同じらしく、そのせいもあるかもしれない。常に私に面と向かって「あんたは頑張ってる」と言ってくれるおじいちゃんは、私にとって心の休憩場所みたいな存在だった。

 

40年以上ものあいだ弊社に勤めたおじいちゃんは、会社への愛が半端なく強い。お酒に酔うと「こんなにいい会社はない」と熱く語るおじいちゃんに、「実は転職を考えている」とは言えない。おそらく実際に動き始めるのは来年以降になるだろうし、その頃には心変わりしている可能性もある。それでも、「定年、いや70までうちで働いて、偉くなるんだぞ」と背中を叩いてくれるおじいちゃんに対して、ちょっとだけ心が痛い。万が一辞める意志を伝えたら、職場の人より彼の方がショックを受けそうだ。

 

f:id:imyme0113:20190123230734j:image

そんなことを考えながら食べたふぐ刺し。思ったよりさっぱりしていて、 歯ごたえがよくておいしかった。

転職したいなーーと思うのは、東京で働いてみたいなーーという単純で今更すぎる欲求のせい。